令和2年6月 静岡市議会本会議 井上智仁議員 質問原稿
令和2年6月29日 公明党静岡市議会より井上智仁議員が会派を代表して、本会議3番で質問致しました!
田辺市長はじめ各局長より具体的かつ前向きな答弁がありました。
以下、質問原稿をご案内申し上げます!
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1.コロナ影響下における今後の見通しについて
(1) 今年度の見通しについて
① 財政調整基金の残高及び令和元年度決算剰余金の現在の状況はどうか
② 今後の新型コロナウイルス感染症の対策をどのように見込み、その財源確保に向けた考えはどのようなものか
(2) 来年度以降の見通しについて
① 来年度以降、総合計画に位置付けられたハード事業を中心とした投資的事業にどのような考えのもとで取り組んでいくのか
(3) 総合戦略について
① 今後、どのように移住促進事業を進めていくのか
2.新型コロナウイルス感染症拡大防止について
(1)検査体制・医療体制の充実について
① 今後の第2波、第3波による感染拡大に備え、PCR検査や患者の受入体制をどのように整えているのか
(2)施設に対する感染拡大防止支援について
① 社会福祉施設において、これまで現場からの支援を求める声に対してどのような対応をしてきたのか。また、今後どのような支援を行っていくのか
② こども園や保育所、子育て支援センターの施設において、どのような感染防止策を実施または支援をしているのか
(3)新しい生活様式について
① 本市職員のテレワークの現況と今後の進め方について、どのような対応を考えているのか。
② 自治会・町内会活動に対し、感染防止に向けて、どのような協力依頼をしてきたのか
③ 今後の活動再開に向けて、どのような取組をしていくのか
(4)避難所等における感染症対策について
① 梅雨や台風などの出水期を迎えるが、避難所における感染症対策として、どのような対応を考えているのか
3.経済対策について
(1)本市の経済状況について
① 本市の経済状況についてどのように捉え、今後についてはどのような見通しを持っているのか。
(2)経済支援について
① これまでどのような観点で経済支援を講じてきたのか
② 今回の6月補正予算では、どのような事業に取り組んでいくのか
4.教育支援について
(1)学力保障について
① 2ヶ月にわたる休校による授業時数の不足の影響をどのように受け止め、対策を考えているか。特に、学力の定着に不安を感じている児童生徒へのサポートはどのように行うのか
(2)学校における感染拡大防止対策について
① 学校では感染症拡大対策として、どのようなことに取り組んでいるか
(3)学校のICT化推進について
① 本年度までに予定されている情報端末整備事業を今後どのように進めていくか。
また来年度以降の見通しをどのように考えているのか
② 一人一台端末導入にあたり、オンライン授業も視野に入れ、今後、端末を活用した事業をどのように行っていくのか。
【1回目】
通告に従いまして、今回は新型コロナウイルス感染症対策に係る事項に焦点を絞り、公明党静岡市議会を代表して総括質問をさせていただきます。
はじめに、新型コロナウイルスと真っ向から戦い続ける医療従事者の皆様をはじめ、社会生活維持のために事業を継続してくださる介護・保育・教育・食品・物流等の業界で働く、エッセンシャルワーカーの皆様に、心から深い敬意と感謝を申し上げます。さらには外出自粛等の対応にご協力いただいた全ての市民の皆様に御礼を申し上げます。
この新型コロナウイルス感染症の対策に向け、更に行政と議会が一体となって応援をしていかなければならないと考えております。
昨年末中国武漢で検出された新型コロナウイルス感染症の猛威は留まることなく、世界各地で感染が拡大し、本市に於いても、2月28日に1例目が見つかり5月1日の20例目まで感染が確認されております。
5月25日に緊急事態が終了した旨の宣言がなされ、本市に於いても約2ヶ月にわたり新たな感染者は発見されておりません。しかしながら有効な治療法やワクチンの開発はまだ時間がかかる状態であり、三密を避けた新しい生活様式は継続されることとなります。
公明党静岡市議会は4月1日には感染拡大防止策を重視した申入書を4月17日には緊急事態宣言をうけ、医療、感染拡大防止、経済対策、子どもたちへの配慮等を含んだ緊急提言をして参りました。これらは、これまでの本市の補正予算に大きく反映されたものと考えております。
今後、第2波・第3波に備えた環境づくりとともに萎縮した経済活動を取り戻していく必要があり、そのために市としても更なる政策展開が求められているものと考えております。
そこで、大項目の1点目として財政状況を踏まえた1.コロナ影響下における今後の見通しについて伺っていきます。まずは(1)今年度の見通しについてです。
本市に於いては、これまでコロナウイルス感染症対策にスピーディーに対応するため、4月にはなんでも相談ダイヤル設置などに約12億円、5月には定額給付金及び協力金に約720億、5月第二回ではエール静岡など約46億円を計上してきました。そして今議会では「新型コロナウイルス感染症対策」「社会基盤整備」の2つをキーワードに約23億円の補正予算が審議されることとなり、更にひとり親世帯臨時給付金などに約7億7千万の追加補正予算の上程も予定されています。
また国は先日第二次令和2年度補正予算が成立いたしました。
公明党静岡県本部青年局はゴールデンウィーク中に県内の若者とオンライン会議システムで結びオンラインユーストークミーティングを開催しました。全国各地で同様の取組を行い、公明党青年委員会としてこれらの意見を踏まえた「青年施策2020新型コロナウイルス感染症に関する緊急提言」を5月21日内閣官房長官に提出し、この提言の多くが二次補正予算の中に盛り込まれることとなりました。
国の第二次補正予算では約32兆円が計上され、一次補正と合わせると57兆円を超える額が新型コロナウイルス感染症の為に支出されることとなりました。今回の補正予算ではコロナ対策予備費として10兆円が計上され、今後更なるコロナ対策の必要性があるものとうかがえます。
16日の本会議で市長より、清水庁舎・海洋文化施設・歴史文化施設の三大の箱物投資の一時凍結のお話がありました。しかし今年度当初予算に計上されたこの3施設への一般財源からの支出額は約2億円で、充分な財源が確保されるわけではないと考えます。
今後更にコロナウイルス感染症対策への対応が必要でありそのための財源確保が必要となってきます。
このような緊急事態に対応するため財政調整基金がありますが、元年度末にあった約76億の基金は5月の第二回の補正後には一億円と底をつく形となりました。令和元年度の会計も出納閉鎖となり、前年度剰余金も見えてきたものと思われます。今後、コロナ対策のみならず、起こりうる自然災害への備えも必要であり、相当の財源を確保しておく必要があると思います。まずは① 財政調整基金の残高及び令和元年度決算剰余金の現在の状況はどうかお伺いいたします。
国がコロナ対策のために当初の一般会計の1割を越える額を予備費として抱えている事と比較すると、本市のコロナ対策としての財源は非常に少ないものとも言えます。本議会では、中止や実施困難な事業の積み上げで約3億円を確保が示されました。また、今後更なる事業の見直しでの財源確保がされると思われますが、今後の対策にどの程度の財源を確保しておく必要があるのかは不透明なとこです。そこで、②今後の新型コロナウイルス感染症の対策をどのように見込み、その財源確保に向けた考えはどのようなものかお聞かせいただきたいと思います。
次に(2)来年度以降の見通しについてです。
今年度は、ウイルスの感染拡大防止と経済活動の再開に向けた取組のために、財源の確保に取り組んで行く必要がありますが、今年度の経済低迷のあおりをうけ、来年度は間違いなく大幅な税収減が予測され、経常的な経費の捻出すら困難な状況になると思われます。そのような中で、経済の回復から拡大への取組を実施していかねばならず、当面厳しい状況は続くと思われます。経済低迷が長期的になるとすれば、市債の発行も押さえていく必要もあり、今年度以上に大規模投資に関し慎重にならざるを得ません。しかし、景気回復の呼び水となる大型の公共事業投資も考えなければなりません。来年度以降は、歳出の抑制だけではなく、必要な投資は前倒ししてでも進めるメリハリのある対応が必要かと考えています。そこで、①来年度以降、総合計画に位置付けられたハード事業を中心とした投資的事業にどのような考えのもとで取り組んでいくのか。お伺いいたします。
次に(3) 総合戦略についても一点お伺いいたします。
総合計画は本市発展のためのハード整備と考えると、総合戦略はソフトへの投資と考えることもできます。これまで、本市の人口減少に歯止めをかけるための、移住定住策や交流人口拡大策と各種の事業を取り組んできました。しかしながら人口減少には歯止めがかからず、これらの政策に充分な成果が得られたとは言えないと感じております。しかしながら、今回のコロナウイルス感染症から人口が集中する大都市に住むリスクというものが浮かび上ってきました。地方における生活という事が見直されてきたと感じています。また、これまで本市が進めてきたテレワークの推進も、企業各社が取組み、当たり前の状況に普及しつつあります。ピンチをチャンスにという考えもあるとあると思いますが、第2期総合戦略で新たに取り入れた「関係人口」に関する動向も踏まえ①今後、どのように移住促進事業を進めていくのかお伺いいたします。
5月25日に新型コロナウイルス感染症緊急事態解除宣言がなされました。しかし、感染者がゼロになったわけではなく、今後感染拡大を予防するため、「新しい生活様式」の定着が求められています。政府は地域の感染状況や医療提供体制の確保状況等を踏まえながら、一定の移行期間を設け、外出の自粛や施設の使用制限の要請等を緩和しつつ、段階的に社会経済の活動レベルを引き上げていく事を示しております。
本市としても政府の方針に従い、今後第2波・第3波の拡大に備えつつ、新しい生活様式を定着させながら、経済活動を再開していく必要があります。
公明党は現場の声を聞くためこれまで静岡県本部としてオンライン会議システムを用いた各種団体とのヒアリングを繰り返してきました。これまで静岡県社会保険労務士会、静岡県司法書士会政治連盟、静岡県医師会、静岡県介護支援専門員協会、静岡県老人福祉施設協議会などに意見を伺ってきたところです。医師会からは第2波、第3波の防止策と物資やベッドの確保など、介護関係者からは衛生用品の確保や事業所継続の為の支援、申請手続きのオンライン化などの要望が上がって参りました。これら現場の声も踏まえ2.新型コロナウイルス感染症拡大防止について順次何点か伺っていきます。
まずは、(1)検査体制・医療体制の充実についてです。本市として、これまでドライブスルー方式のPCR検査の導入や静岡病院での病床拡充などの取組をしてきました。今後更に、感染拡大防止の為にもPCR検査による検査の充実を図るとともに、医療崩壊を防ぐためにも事前に医療体制を整えていく必要が有ると思います。そこで① 今後の第2波、第3波による感染拡大に備え、PCR検査や患者の受入体制をどのように整えているのかお伺いいたします。
次は(2)施設に対する感染拡大防止支援についてです。ここでは、施設の使用を止めることができず、クラスターを生み出しやすい、障害者・高齢者施設や子育て関連施設に関して伺っていきたいと思います。
これまで補正予算の中で、新型コロナウイルス感染症対策のため、施設改修費やマスク・消毒液などの防護具のための補助等を行ってきました。しかし、手上げ式での支援であるため、対象となる施設数をみると一部の施設に限られているように感じています。個々の施設により状況は異なりますので、一律な支援というのは考えにくいと思われ、それぞれの施設の状況に応じた支援が必要であり、制度の狭間で苦慮することがないような配慮が必要と考えています。
そこで、① 社会福祉施設において、これまで現場からの支援を求める声に対してどのような対応をしてきたのか。また、今後どのような支援を行っていくのか伺います。
子育て関連施設に関して言えば、こども園や保育所などは保育を必要な家庭のために、縮小して事業を行ってきたもの、子育て支援センターのように休館していた施設が再開したもの等がありますが、施設に応じた感染症対策が必要になると思われます。
そこで、② こども園や保育所、子育て支援センターの施設において、どのような感染防止策を実施または支援をしているのかお伺いいたします。
次に(3)新しい生活様式について伺います
新型コロナウイルス感染症は、無症状や軽症の人であっても、他の人に感染を広げる例があり、新型コロナウイルス感染症対策には、自らを感染から守るだけでなく、自らが周囲に感染を拡大させないことが不可欠といわれています。
3密を回避し、人と身体的距離をとることによる接触を減らすこと、マスクをすること、手洗いをすることなど、従来の生活では考慮しなかったような場においても、市民一人ひとりが、日常生活の中で「新しい生活様式」を心がけていただくことで、新型コロナウイルス感染症をはじめとする各種の感染症の拡大を防ぐことができます。
そして、働き方に関しても、テレワークやローテーション勤務、時差出勤でゆったりと、オフィスは広々と、会議はオンライン、名刺交換はオンライン、対面での打合せは換気とマスク、といった新しいスタイルが求められております。
そこでまずは、新しい働き方スタイルの促進として① 本市職員のテレワークの現況と今後の進め方について、どのような対応を考えているのか。お伺いいたします。
次に地域活動等における新しい生活様式の導入に関して、伺っていきます。
緊急事態宣言も解除され、徐々に市民の交流についても回復させていかなければならないと感じております。しかし、自治会等の活動再開の可否について、まだなお、不安視する声もある事から判断に苦慮しているように思われます。これまでの自粛の雰囲気を創ったのは行政ですので、「新しい生活様式」を意識しながら、自治会等が動き出せるような支援が必要なのではないかと考えております。行政が自治会活動等の開催可否について強制はできないことは承知しておりますが、これもダメあれもダメではなく、こうしたら良いという事を市がわかりやすく示すことはできないかと感じております。
そこで、これまで ② 自治会・町内会活動に対し、感染防止に向けて、どのような協力依頼をしてきたのか。そして、 ③ 今後の活動再開に向けて、どのような取組をしていくのかお伺いいたします。
次に(4)避難所等における感染症対策についてお伺いします。
国は5月に防災基本計画の修正を行い、第1編総則第3章防災をめぐる社会構造の変化と対応の項目の中に「令和2年における新型コロナウイルス感染症の発生を踏まえ、避難所における避難者の過密抑制などの感染症対策の観点を取り入れた防災対策を推進する必要がある。」とも文言が追加されました。また第2編対策編の「指定避難所等」の項目には、「新型コロナウイルス感染症を含む感染症対策について、感染患者が発生した場合の対応を含め、平常時から防災担当部局と保健福祉担当部局が連携して、必要な場合には、ホテルや旅館等の活用等を含めて検討するよう努めるものとする」との記載がなされました。また、新型コロナウイルス感染症対策としての、避難所のレイアウトの例なども示されたところです。本市としても、5月の第二回臨時会に於いて、避難所における新型コロナウイルス感染症対策事業として、165施設に2,400張りのパーテーションを備蓄することとなりました。
地震はいつ起こるか分かりませんが、台風などの風水害による避難所開設は毎年行われ、本年度も間違いなくそのようなときが来るとおもいます。梅雨にはいり、出水期を迎えました。いつ避難所を開設する状況になるか分かりません。
そこで、① 梅雨や台風などの出水期を迎えるが、避難所における感染症対策として、どのような対応を考えているのかお聞かせ下さい。
次に大項目の3つ目3.経済対策について伺っていきます。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、不要不急の外出抑制など、世界的に人や物の動きが停滞しました。このため、インバウンドの減少に加えて、国内消費が広く抑制されるなど、景気下押し効果が強まっています。日本の1-3月期の実質GDP成長率は2四半期連続のマイナス成長となり、4-6月期は前期比年率▲20%程度と見込まれています。現時点で感染が収束に向かうとしても、20年度の実質GDP成長率は▲5.1%と見込まれるといわれています。さらに海外のサプライチェーンに頼る我が国では諸外国の対策の行方で国内経済にも大きな影響を与えます。今後、事業継続や雇用維持のための追加の経済対策が急務だとも言われています。
政府は中小企業支援を中心とした、持続化給付金やセーフティーネット保証、雇用調整助成金など各種の対策を講じてきました。更に今月行われた2次補正予算では、資金繰り対応の強化や家賃支援給付金の創設などが計上されております。
本市としても、これまで、自粛要請に伴う協力金の支給やエール静岡応援金などでの支援を行って参りました。しかし、これらも、一時的な救済措置にすぎず、観光やイベント業界をはじめ多くの方々から「ここ数ヶ月全く仕事がない」などの声も聞いております。また、これらの支援事業の対象に当てはまらない方々も多くいると伺っております。
国が各種支援メニューを行う中で、現場の声に耳を傾け、制度の狭間にある方々を救っていく「誰1人取り残さない」支援を行っていくのが基礎自治体として役割ではないかと考えています。
そして、制度の告知という意味でも、情報が行き届かないところにどう伝えるかも重要だと思っております。インターネットは大量の情報を多くの方に伝えるには非常に有効な手段ですが、生活に困窮している方々ほどインターネット環境に不慣れな方々が多いように感じています。どのような方々が、どのような状況の中困難に直面しているのか、現場の姿を知ることがまずは重要であると考えています。
そこで、まずは現場を知るという意味で(1)① 本市の経済状況についてどのように捉え、今後についてはどのような見通しを持っているのか。お聞かせいただきたいと思います。
そして、それを踏まえた上での(2)経済支援について、①これまでどのような観点で経済支援を講じてきたのか。そして② 今回の6月補正予算では、どのような事業に取り組んでいくのか。お聞かせ下さい。
最後に大項目の4つ目になります4.教育支援について伺っていきます。はじめに(1)学力保障についてです。
2月末に国より3月2日からの学校の臨時休校の要請があり、本市は3月3日より15日までの間、臨時休業措置を実施、その後卒業式等を実施後、春期休業へ入り、入学式等を実施した後、4月11日より5月25日までの臨時休業、5月31日までの移行期間と続きました。一時的に休校を解除した期間はあるものの実質的には、4月~5月までの2ヶ月間学校での学習機会を子どもたちは失いました。
本市教育委員会は、長期的な休校による学力の低下を起こさない為の取組として、登校日の設定やwebを用いた家庭学習のサポートなど行ってきました。しかし、家庭での学習状況には格差があることが予測され、特に小学校1年生においては、友達作りをする前に休校となり、社会性を学ぶ機会をいっしてしまったのでは無いかとの危惧もされます。
また学校再開後も、持病等がありウイルス感染リスクに不安を抱え、登校を見送る児童・生徒もいるのではないかと思われます。このような子どもたちにも今後しっかりとしたフォローをしていかなければなりません。
休校明けに地元の小学校を訪問させていただきました。学校でも子どもたちへの配慮を最大限に尽くしていると感じました。一年生の教室も全て授業の参観をさせていただきました。子どもたちは皆元気に学んでいる姿をみて安心をいたしました。そして、感染拡大防止の為に、事細かな配慮をしながら、授業を進めている教諭たちの姿、そしてまだ学校がはじまって間もないにもかかわらず、一人ひとり児童の名前を呼びながら、授業を進めている姿をみて感心しました。
新型コロナウイルス感染症拡大が懸念されるなか、学校休業の間も教育委員会、学校、教諭の皆様が児童生徒のために奮闘している姿には、敬意を表さずにはいられません。
それでは質問となりますが、① 2ヶ月にわたる休校による授業時数の不足の影響をどのように受け止め、対策を考えているか。特に、学力の定着に不安を感じている児童生徒へのサポートはどのように行うのかお伺いいたします。
次に(2)学校における感染拡大防止対策についてうかがいます。学校での授業が再開となったものの、感染拡大予防のためには、新しい生活様式を取り込んだ、これまでとは異なった新たな環境の整備のもと、学校生活を進めていかなければなりません。先ほど述べましたように、現場の教諭の皆さんは相当な配慮と苦慮をしていると感じております。また、先月民間の事業者から子どもたちの安全を守るためにと次亜塩素酸ナトリウムの寄贈をうけ、全小中学校に配布したところでもあります。そこで、① 学校では感染症拡大対策として、どのようなことに取り組んでいるか伺います。
最後の中項目となりますが(3)学校のICT化推進について伺います。
2019年12月、文部科学省は「GIGAスクール構想」を打ち出しました。これは、令和時代の学校教育スタンダードと言われております。
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立するSociety 5.0時代を生きる子ども達にとって、教育におけるICTを基盤とした先端技術の活用は必須となります。また、変化の激しい時代を生き抜くには従来の一斉教育だけではなく、多様な子ども達を誰一人取り残すことのない、個別最適化された創造性を育む教育の実現が重要であり、ICT教育で次世代の人材を育てる必要があります。これらを持続的に実現させる構想がGIGAスクール構想であると考えられます。
そしてそのために児童生徒向けの1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備していこうと言うものであると理解しております。
また、2020年4月7日文部科学大臣は記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、GIGAスクール構想を早期実現するための支援などを積極的に推進すると表明しました。
本市としては令和元年度2月補正予算において、小中学校通信ネットワーク整備事業として、全生徒児童のインターネット同時接続を可能とするネットワーク環境整備等に約23億7千万計上しました。そして、今6月定例会では、学習用情報端末整備事業として約3万台の端末を購入し現在あるものと合わせ、約4万台を配備される事としています。これから、子どもたちの学習環境が大きく変わっていくものだと思います。
そこで、① 本年度までに予定されている情報端末整備事業を今後どのように進めていくか。また来年度以降の見通しをどのように考えているのかお聞かせいただきたいと思います。
最後にICT教育におけるソフト面についても伺っておきます。
GIGAスクール構想は、これまでICT教育の推進が目的で進められてきましたが、新型コロナウイルス感染症対策の一環でオンライン授業等の導入もこの構想のなかに含まれてきたものと理解しております。しかしオンライン授業に関してはあまり準備が進んでおらず、授業の実施方法や教員のスキルが充分であるか不安に思っております。今回の学校休業中にwebによる家庭学習サポートを行ったようですが、試行錯誤の状態だと感じています。
そこで、②一人一台端末導入にあたり、オンライン授業も視野に入れ、今後、端末を活用した事業をどのように行っていくのか。お伺いしまして一回目の質問といたします。
【2回目】
市長からは今後の明るいきざしの見える御答弁いただきありがとうございました。また、様々な政策・事業等に関する御答弁をいただきましたが、2回目は意見要望とさせていただきます。
まずは、財政に関してです。今後の状況に応じて、時にかなった事業を素早く展開できるよう財源の確保に更に努力いただきたいと思います。大規模事業の多くは国庫と市債でまかなうため、対策に講じるための一般財源が確保できる訳では有りませんが、今後の経済動向を見ながら市債発行を抑制していく必要があります。経済回復に向けた公共投資の考えもありますので、今この時代に真に必要なものを見極め、総合計画全体像をもう一度見直しながら、政策・施策を進めていってもらいたいと思います。
次に、新しい生活様式の定着に向けての取組についてです。行政においては、これまで進めてきた働き方改革を加速し、テレワークの導入を進めているとの事ですが、今後は更に、オンライン申請拡充など新しい生活様式に沿った窓口業務のあり方についての検討を行い、行政を利用する市民にとっての対応も進めていってもらいたいと思います。
また、自治会等に対しては、行事等に関するガイドラインを作成していただくとのことです。先日各自治会等に市の方針を示した書類が配布されたと伺っています。しかし受け取った自治会長からの話では、チェックシートか細かすぎ、今後の活動には全く参考にならないとの事でしたので、今回のガイドラインでは各自治会等がわかりやすく判断しやすい物に仕上げていただきたいと思います。
避難所に関してです。とりあえず、通常起こりうる風水災害等への対応はできていると感じますが、南海トラフ巨大地震など大規模災害に向けての避難所における感染症対策の検討を更に進め、自治会集会所など指定避難所以外においても対策を検討していってもらいたいと思います。
そして各種支援についてです。
これまで、コロナによる生活困窮や事業存続の危機に対し、国や地方が様々な形で、支援をしてきました。そして、今回の国の二次補正では全体で2兆円に及ぶ交付金が計上されました。これをどう受け止め、どう活用していくかは地方にゆだねられることとなりますが、これまでの制度では行き届かないところに如何に手を差しのばすことが重要かと思います。例えば、協力金やエール静岡の対象外となってしまった、雑所得が収入の主体となるフリーランス。国はこの二次補正で、持続化給付金対象を広げて対応をしましたが、本市独自のエール静岡応援金はこれに準じた拡充を予定していないとの事です。また、今回の二次補正からはじまる、事業者への家賃支援給付金。国も地方に対し交付金を用いた上乗せ支援を示しておりますが、国の制度の対象とならない収入減が50%に至らない事業者等への支援等も検討していただきたいと考えています。
他にも、聴覚障害者は相手の口の動きで言葉を判断しますが、マスクをしていては、コミュニケーションがとれないとか、身体障害があって手を洗うのが難しかったり、知的障害があってマスクをなぜ着けなければならないかわからず拒んだりする人もいるでしょう。手助け無しで、自分で予防するのは容易ではない方々への配慮も必要だと思います。
現場でしか分からない困難を如何につかみ対応していくのか、是非ともできうる限りの支援策の検討をお願いしたいと思います。
最後に教育に関する点です。子どもたちの感染拡大防止への対策、今後の学力定着に向けての対応、そしてGIGAスクール構想に向けての対応など、あらゆる面から現場の皆さんは努力してこられたのもと感じています。今後、暑い日が続く中、熱中症への対応も必要とされてきます。夏休みが短縮され、暑い中でも授業を行わなければなりません。小学校にはエアコンが設置されたものの、密閉空間を避けなければならず、中学においてはエアコンが未設置のためしっかりとした熱中症対策をしていかなければなりません。暑さ対策に関してはできる限りの対応を行っていただきたいと思います。
6月19日に移動自粛が解除され、だいぶ人の動きも増えてきたところですが、今後の新型コロナウイルス感染症の行方はどうなるのか、誰にも分かりません。経済活動の再開を後押しし、くらしを守りながら、第二波・第三波を防ぐために感染拡大防止をしっかりと行い命を守ることは、決して容易なことではありませんが、行政・市民が一丸となりオール静岡で、この新型コロナウイルスと戦い続けなければならないと述べさせていただき全ての質問を終わります。
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今後も、引き続き公明党静岡市議会は、市民の皆様の生活を守りぬくため、全力を尽くして参ります!